とある魔法学園の一日 01
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「さて、出欠は取り終えたので授業を始める」
私が担当するこのクラスの生徒は非常に癖が強い子達が多い。と言うのも、
「はーい、出席はしたので後は適当にしててくださーい」
と来たもんだ。
実際私の担当は魔法の歴史であり、余程授業をサボっているとか、問題行動を起こしているような生徒位しか受けに来ない。いわゆる単位取りの為だけの授業だ。私の方も不真面目な生徒の面倒まで見る気はないので、出席だけしておけば最低ランクでの単位を授与している。
……その上でこの教室に残るのは、悪名高い問題児・病気で授業を休みがちだった普通の子・本当に真面目な編入生の3人となった。前の二人は私の授業で良い成績を取っておく必要があるので、いやいやか仕方なくか、程度の違いは有れど授業が受けたいという動機ではないだろう。
編入生の子は非常に出来がよろしい……というか、正直この子だけのための授業ならば苦ではない。
それぞれの総評は
●問題児:
実技には目を見張る物があるが、勉強はおろそか。得意分野でもないと良い成績を付けられないだろう。幾つかの授業から追い出され、渋々私の授業を受けている。
●普通の子:
良くも悪くも普通の子だが、余程難問でもない限りは自分で何とかできるが、実技はやや苦手か。特別難しい問題でなければそつなくこなせるだろう。
●編入生:
非の打ち所の無い優秀な生徒……だが、優秀すぎるゆえに見落とす物も良くあるようだ。難しい問題にこそ燃えるタイプと見た。
「……なんか色々考え込んでるようだけどよ、とっとと授業始めろよ」
問題児が授業を始めろとせきたてる。そもそもお前さんは殆ど聞かないだろうが……。ま、これもお仕事……ってね。
「授業を始める」
「そのせりふ二度目だよ」
細かいヤツだな……。
Eの値として100を、Bの値として0を記録しておく。
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