とある魔法学園の一日 06
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「今日、タブーを破ることによる罰らしい罰は発現し難くなっている」
「なんで?」
「それぞれの道の力ある魔導師が守護者となり、道を正すからと言われている」
「ま、魔導師……と言うことは守護者は元は人だったのですか?」
「そうだ……最大の守護者と呼ばれている大地の守護者は、恐らく大魔法協会設立時の10人委員会で特に優秀な魔導師の一人だ」
「大地の守護者が!?
あの方の守護はどこにいても恩恵を受けるような途方もないものだと聞きます!」
「だからこそ、その一人である可能性が高い。
全ての魔導師達を圧倒する実力があればこそ、成しえる偉業だと思う。
大地の守護者は通称で、本来は生命の守護者だ。
マナはありとあらゆるものを変容させる性質を持っている。
我々は生きている限りマナを毎日取り込み、自らのオドと少しずつ入れ替え、取り込んだマナを自らのオドへと変えていく。
大地の守護者はその変容させる性質から、ありとあらゆる生命を守っている。
……話は少し逸れるが、火薬は知っているかね?」
「火を起こすのに使う位じゃね……?
魔法関連にはつかえねえし……」
「昔はあれで魔法のような威力を持つ弾を、誰もが撃つことができたそうだ」
「な……なんで?」
「今はできない理由なら簡単だ……火の守護者の加護がないからだ」
「つまり、このマナ溢れる世界では火薬は本来の威力が無いと?」
「そうだ。
この世界では変化の全てが一度マナに置き換えられる。
結果、威力が落ちたり、発現しなかったり、法則が変わったりするのだ。
唯一効果が保障されているのが魔法に関するものである。
守護者とは守る者の意味もあるが、抜け道を用意した者の意味でもある。
大地の守護者は特別だが、他の守護者達は担当する対象が本来の力を振るえたり、更なる力を得たりする助けとなる。
では最後に歴史の授業が以下に大事かを教えてやろう」
それは→11