とある魔法学園の一日 21
21
実技が苦手なこの子には何をさせようかな。
「君の得意な魔法を使ってみなさい」
「は……はい」
彼は風の魔法で小さな弾を造ってみせる。
とはいっても余り目で確認できる物ではないが。
「風なんて地味な魔法使ってんのか?」
「風の属性は実は扱うのが非常に難しい。
他の属性と違い、初歩のうちは目で見えず、感覚で扱うしかないからね」
「……っへー?」
問題児は少しだけ普通の子の事を見直したようだが、実際使われた魔法を見てがっかりしていた。
「ではそれを幾つ同時に造れるかな?」
「え……えーと……」
ふむ……まぁまぁの数の弾を同時に作ることができるようだ。
これと同レベルにするには……と。
「私が組み上げたこの魔術に向けて同時に放ってみなさい」
「ふぁ!?……はい!」
一瞬びっくりしていたものの、気合を入れて風の弾を一斉発射する。
ギギギ……ジュバーンッ!
風属性同士の衝突特有の軋むような音から破裂音に変わり、教室内に突風が吹き荒れる。
「……っだそれぁ!すげー!」
「こうやって魔術に魔法で対抗するやり方もあるのだ。
もっとも、風の魔法をこれだけ同時に放つというのは、少々燃費が良くない側面も持ち合わせているけどね」
Eの値に20を加算。
締めくくり→18