とある魔法学園の一日 25
25
「では実技の授業をしようか。
確か君は実技は得意中の得意だったね?」
「おうよ、魔術だって扱えるぜ!」
「では君の一番得意な魔術を練り上げなさい。
用意がない、又は足りなければこちらで用意するが?」
「へへっ、いつでも準備おっけーだぜ」
そういって、彼は得意の火の魔法を複数用意し、魔術へと練り上げる。
荒っぽいが殆ど無駄の無い綺麗な術式だ。
流石良いセンスをしている。
「では私は基本の火の魔法だけを使おうか」
「勝負になるのかよ~?」
向こうは余裕を見せているが、魔術にまで組みあがるには時間がかかるようだ。
「ではこちらから」
「あ?え?ちょっ……」
彼の周りに火の弾を10発程撃ち込む。
「本来なら、これで私の勝ちだな?」
「ずっりーぞ!」
「魔術を練り上げるのが遅い君が悪い。
それに私は君の魔術も魔法で打ち消すつもりだからな、待っているんだよ」
「……」
少々頭に血が上ったのか、黙って集中し、練り上げる速度を速める。
本当に筋が良い子だな、これで真面目だったなら……なぁ。
「へっ……防げるもんなら防いでみろやぁ!」
練り上げた火の魔術をこちらに向かって放つ。
同時に彼の魔術に向かって私も魔法を打ち出す。
ドンッッ!
魔術と魔法が掻き消え、そこには驚きの表情を浮かべる3人の顔が見える。
そこへ更に火の弾を数発お見舞いする。
「うおっ!あぶねっ!
……つか何やったんだよ……ずるしたんじゃねえのか!?」
「単に君が練り上げる魔術と同量になるよう魔法を重ね、連弾として放っただけだよ」
「……はぁ!?……それって効率悪いんじゃねえの?」
「オドの消費効率は良くないね、燃費は悪い。
でも先程と同じように私は直ぐにも攻撃に移れたのは分かるかい?」
「……俺もやってみたい」
やはりこういうことには生き生きとしているな。
この後、彼が私がやったのと同じことができることを早々と証明してみせ、無事授業も終えることができた。
Eの値に4を加算。
締めくくり→18