とある魔法学園の一日 28
28
「君は何の属性が得意かな?」
「得手不得手はありません」
「魔術はどうかな?」
「まだそれほどには……」
「では水の魔法で弾を、作れるだけ作ってみなさい」
編入生は言われた通りに水の弾を作り上げる。
今まで見たこともないような手順で水の弾が生み出される様は、ただ不思議の一言に尽きる。
ここまで習熟しているならもっと弾を作れても良いと思うのだが。
「では私が作るこの魔術に向かって一斉射撃してみなさい」
と、私が手の上で水の魔法を練り上げて魔術を発現する。
すると彼は迷うことなく私の魔術に向かって魔法を一斉射撃する……さも当然のように。
ばひゅんっ!
少し大きな音と共に、教室内が水蒸気で満たされる。
「うおっ!……なんか地味だな……凄いことやってんだろうけどよ」
「そうだな……ともあれ、魔法を重ねて使うことで魔術にも対抗する手段がある、ということは示せただろう?」
問題児は若干不満そうだが、私にも不満な点がある。
編入生は全く持って本気ではないだろうということがだ。
Eの値に100を加算。
締めくくり→18